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― 野球部コラム

クラブチームの魅力

クラブチームの魅力

社会人野球は、大きく「企業チーム」と「クラブチーム」に分けられます。企業の職員によってメンバーが構成され、野球部事業が経営の一環として行われているのが企業チームです。一方、職場の帰属に関係なく、自発的にメンバーが集まり組織するチームをクラブチームといい、一般に活動を支援する事業体のもとで運営されます。いずれも硬式野球で、日本野球連盟(JABA)に登録することが結成の条件となっています。てるクリニック野球部は、医療法人涼音会「整形外科てるクリニック」の支援のもとで運営されるクラブチームです。

クラブチームの選手たちは異なる日常を過ごし、平日は主に自主練習、週末に確保したグラウンドで全体練習やオープン戦を行う、といったスタイルが一般的です。企業チームと比べると、設備環境や練習時間の面でハンディがあるためどうしても力の差がみられますが、都市対抗野球の予選大会などでクラブチームが企業チームを倒すこともあります。当チームも企業チームと対戦する際は、チャレンジャーとして一泡吹かせたいという思いでぶつかっていきます。

僕は学生野球を終えて社会人になっても、こうして選手として真剣に硬式野球に打ち込める環境に巡り合えたのは奇跡に近いと思っています。学生のころは野球のできる環境がある程度揃っていますが、社会人野球となるとプレーを継続する場や選択肢が一気に限られてきます。企業チームに進んで都市対抗野球を目指せる選手は一握りです。

だからこそ、本人が燃え尽きるまでプレーできるクラブチームという受け皿があることは、とても重要で広く知ってもらいたいという思いがあります。当チームは、クラブチームの中でも比較的恵まれた環境にあると感じています。

これまでクラブチームでレベルアップし、次のステージに進む選手を何人も見てきました。「ここで燃え尽きたい」、「さらに上を目指したい」。選手の思いはさまざまです。年齢も経歴も違う選手がチームの勝利に貢献するという目標を共有し、真剣に白球を追っている姿はとても魅力的に映ります。僕自身この年齢まで硬式野球が続けられるとは思ってなかったので、自らの限界までプレーできる今の環境を謳歌したいと思います。

てるクリニック野球部
田名 一真