baseball Column
― 野球部コラム

硬式野球と私

硬式野球と私

今年の誕生日で40歳になった。硬式野球では一般に現役を引退している年齢だ。それにもかかわらず、私はピッチャーとして現役を続けている。理由として野球が大好きなことはもちろんだが、硬式野球の面白さの虜になって、ハマり続けているからだ。

高校で野球部に所属していた私は、卒業して数年間は軟式野球を楽しんでいた。そんな私に「もう一度硬式野球をやってみないか」と高校の先輩に声をかけられたのが、てるクリニック入部のきっかけだった。高校以来、久しぶりに握った硬式ボール、白い革製の表面に赤い糸の縫い目。軟式ボールとは違う硬さや重さ。そしてバッターは木製バットを使う。練習参加の初日は「また硬式野球ができる」という喜びが大きかった。

ただ、初めから試合に出られる訳がない。チーム内でのレギュラー争いがある。「負けたくない、エースになりたい」という気持ちを持ちながら必死に練習した。練習の成果が徐々に出始め、入部2年目ごろには先発を任されるようになった。その後、独立リーグでプレーするまでにレベルアップできた。独立リーグで3年間プレーした後、てるクリニックに復帰させてもらい、いまは投手コーチ兼任選手としてプレーを続けている。

40歳になったいま、以前のような球速も出なくなったし体力も落ちてきている。肩が痛いときもある。だが、マウンドに立つと感じる独特の緊張感や楽しさは入部当初もいまも変わらない。

大人になっても硬式野球を続ける環境を作ってくれたてるクリニック野球部、そのおかげで硬式野球にハマり続けることができて感謝の気持ちでいっぱいだ。今後、コーチとして後輩の成長を後押しすることでチームに恩返しをしたいし、選手としては限界まで思いっきり腕を振り続けたいと思う。

てるクリニック野球部

安里渉